アートによる復興公営住宅と近隣住民との
きずな再生事業

アートは人の輪を作る
人の心をほぐす

私たちの目的と課題

東日本大震災による原子力災害により、福島県内に避難された方のための復興公営住宅が県内各地に整備されています。団地ごとに濃淡はありますが、最大の課題は地域住民との交流の希薄差です。また、復興公営住宅に入居されている方の転居や亡くなってしまったことによる空室が増え、一般世帯の方々の入居が始まることにより、避難者(従前の入居者)との軋轢が生まれることが想定されることから、解決の一助として普段使いできるものを制作するアートによる交流の場づくりを行いました。
 震災から13年。2024年4月に福島県の生活拠点コミュニティ形成事業の委託を受けている特定非営利活動法人みんぷくのコミュニティ交流員の皆さまのお話を伺うと、「少しずつ近隣住民の方々との交流の輪が出来ていたけれども、コロナ禍(2019年12月~2023年5月)により全てが切れてしまい最初から編み直しになってしまった」とのこと。
 また、県委託で弊会受託の「アートによる新生ふくしま交流事業」(2020年~)により少しずつきっかけが作れるようになってきているとも。アートは、人の輪を作り、人の心をほぐす手段として有効です。アートによる新生ふくしま交流事業の知見を活かして、アートによる交流の場づくりを試みました。
                                       2025年3月
認定特定非営利活動法人ドリームサポート福島

*この事業は、福島県の令和6年度ふるさと・きずな維持・再生支援事業の補助金を得て活動しました。
主 催 認定特定非営利活動法人ドリームサポート福島
協 力 特定非営利活動法人みんぷく

目黒 照枝先生

鈴木 美佐子先生

記録集

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あとがき

 2024年度も復興公営住宅団地の皆様と関わることが出来て良かったと思っています。
 私たち認定特定非営利活動法人ドリームサポート福島は、東日本大震災発災時から微力ながら自分たちで福島のために出来ることは何なのかを自問自答しながら活動してきました。設立当初から、高校生や大学生を応援する事業を中心として次代のふくしまを担う、若い世代向けに多くの事業を実施してきました。一方、主に東京電力福島第一原子力発電所事故により避難された方々に対して、私たちは何が出来るか分かりませんでした。賠償金のことなど福島県民の中で様々な軋轢があることもありましたし、私たち自身も心の中に無意識に壁を作っていたのかもしれません。

 2020年から福島県主催の「アートによる新生ふくしま交流事業」に関わることで、浜通りに住む皆様や復興公営住宅団地の皆様と何度も会って話す機会をもうけさせていただくことによって、少しずつ私たちが何をすべきか、どんなお手伝いが出来るかが見えてきていました。そこで今年度は、「ふるさと・きずな維持・再生支援事業」で補助を受け、復興公営住宅団地の皆様と近隣の皆様との絆をつくることのお手伝いをしました。ただ、近隣住民の参加が多かった団地もあれば、近隣住民の参加が全くない団地もあり、団地毎の意識の違いを感じました。ご協力いただいたNPO法人みんぷくの皆様の話を伺うと、避難者として将来地元に戻るんだという気持ちから、復興公営住宅団地がある地域に住み続けるんだと覚悟を決めた団地ほど、地域との交流を図っているとのこと。覚悟という言葉は、大げさに感じる方もいらっしゃるかと思いますが、私たちは覚悟という言葉が腑に落ち納得しました。

 今回の活動は、その覚悟を決めた方々の気持ちにほんの少しだけ寄り添えるものだったと感じています。当事者でなければ分からない気持ちの揺れ動きもあったでしょうし、私たちが想像も出来ない困難さもあったことと思います。そんな皆さんの覚悟した気持ちを少しだけ後押し出来たのではないかと思います。先日、NPO法人みんぷくさんの成果報告会に参加させていただきました。地域によっては、まだまだそこに住み続ける気持ちが固まっておらず、そもそも団地内の自治の熟成が難しいところもあるようです。来年度以降も団地の皆さんの気持ちに寄り添える私たちが出来ることを微力ながら続けていこうと思います。

 最後に、広島平和記念資料館の御自身が被爆された最後の館長の原田様からいただいた言葉を意訳したものを記します。
 「津波や原発事故で避難された方が多い浜通りの方々と、福島県外に住む方々との間にいる、中通りや会津地方に住むあなた方しか出来ないことがあるのではないですか?」
 これからも福島県民として何が出来るのか考えていきたいと思います。再び記しますが、今年度も復興公営住宅団地の皆様と関わることが出来て良かったと思っています。

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